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大人ニキビの跡は見たくない!ケアの仕方は?

2021年01月07日

まず言えるのはこれというのは、最初の時のにきびより消すのに期間がかかるので、心構えが必要です男士去暗瘡印
。また何をしても一生良くならないニキビ跡だとしても、不精をしなければ、数年後にははるかに良い肌にする事だって出来るのです。

諦めずにケアをすれば大丈夫です。大人ニキビの赤みや黒ずみは、心配せずともあらかたはなくなる跡だそうですが、肌が陥没する型だと、多くは永遠に消えることのないものです。辛いですが、それでも気長に丁寧な対処することで、なくすのは出来ます。


凹凸が治るには半年以上はどう考えても必要だと見てほしいです。最悪病院に通うことも治るか不明になります。個人でする手入れで消せるとすれば、出来るなら家での手入れをした方が良いです。   


Posted by やそれでは at 13:47Comments(0)

熬夜追劇 當心誘發急性青光眼

2018年11月01日

 熬夜追劇 當心誘發急性青光眼
 眼壓已經兩個月沒有下降,頭痛,想撞牆,小陸從未想過還不到三十歲,他得到了青光眼,造成感染。這星期是星期國際青光眼,明基醫院隸屬於一個有組織的大型義診活動,醫院眼科中心,副總統的袁志蘭主任醫師提醒,奧利維亞這種情況屬於繼發性青光眼,最及時治療可以恢複,但不幸的是,青光眼的偷的願景“沉默的殺手”,90%的人錯過了診斷。幹細胞對再生醫學的發展擔當着非常重要的角色。在實驗室中,臍帶血細胞已顯示出能夠轉化成不同類型細胞如神經,骨骼、皮膚、心臟和肝臟細胞等等。
   年輕人也會患青光眼
 今年小盧還不到30歲。自去年9月初以來,眼壓一直在上升。低血壓滴眼液無法控制,因為高眼壓引起的頭痛已經開始發作,疼痛使我想把頭撞到牆上。小鹿四處求醫,終於發現明濟醫院袁志蘭主任醫師,證實因病毒感染引起葡萄膜炎,繼發青光眼。小璐嚇得無濟於事。“青光眼不是老年人得的疾病嗎?”我是怎么得了青光眼的?“
 袁志蘭主任解釋說,小鹿的繼發性青光眼,臨床上仍有很多,有些紅斑狼瘡等全身免疫系統疾病,會損害視神經,繼發性青光眼。感染也會發生,她因鼻竇炎和繼發性青光眼而出現葡萄膜炎。“小璐的情況不嚴重,我們給她做了手術,解決了。”袁志蘭主任醫師說,小璐及時出現症狀,許多青光眼沒有症狀,到了70%的門診病人來的時候,她已經到了中晚期。
   通宵追劇可能成誘發因素
 導演袁志蘭告訴記者,青光眼實際上不管年齡和性別,在所有年齡段的發生,不同類型的青光眼,其特定的人口,年輕人也不可掉以輕心。在臨床上,由於在電影院看電影是急性青光眼發作的許多情況下,看著在黑暗中很長一段時間,或者看電視玩通宵。”但普通人不必過於擔心,這部分人群通常是自己的眼睛的結構缺陷,本身就是青光眼,積蓄力量,看電影,看手機只是誘因。”導演袁志蘭說。起床完畢一切就緒後你可以直接按照已幫你制定好的營養又美味的減肥餐菜單,廚房感應系統開啟,水自動燒開熄滅,手裏拿着雞蛋殼順手丟進智能垃圾桶,循序漸進中做出一道健康可口的美食,舒適的享用完後,有條不紊的進行下一件事,無耽誤,無打亂,智能家居巧妙的應對着一個又一個要求。
 青光眼早期無典型症狀,甚至有許多患者眼壓正常,75%的青光眼患者已達到治療的中晚期,殘存視力非常有限。袁志蘭主任醫師告訴記者,40歲以上的人每年都要接受眼科檢查,檢查是否有眼壓、視野、家族史、高度近視和遠視等問題以及高血壓、甲狀腺功能亢進等高危因素。人,即使不到40歲,也應該每年進行一次眼科檢查。對於青光眼患者,雖然視力損害是不可逆轉的,但早期發現和治療可以通過手術或藥物控制眼壓,延緩或預防失明。
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Posted by やそれでは at 17:51Comments(0)

臉蛋T區出油、毛孔粗大怎么辦?

2018年10月15日

核心提示:我們臉蛋的T區附近是臉部皮脂腺分泌最為旺盛的地方,無論是混合性肌膚還是油性肌膚的MM。快來檢查你的T區肌膚,如果已經出了毛孔粗大,長痘長黑頭的現象就趕緊來學習下面的護膚技巧吧!


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  我們臉蛋的T區附近是臉部皮脂腺分泌最為旺盛的地方,無論是混合性肌膚還是油性肌膚的MM。快來檢查你的T區肌膚,如果已經出了毛孔粗大,長痘長黑頭的現象就趕緊來學習下面的護膚技巧吧!


  一、毛孔粗大


  T區是毛孔粗大集中營,很多MM深受困擾。可通過去角質或蒸臉來解決這個問題。


  1、T區如何去角質?


  每月進行1--2次去角質,以保證毛孔的暢通。方法是:用不能用手摸到顆粒的去角質


  膏在T區輕輕去角質,使用一些超微細的角質按摩膏,塗抹在t字區域,然後從上向下的進行按摩,對於出油厲害的位置可以采用打圈的方法進行按摩和清潔,做好了去角質的工作後,清洗幹淨,然後塗上保養品即可。


  2、T區護理方法:


  一星期可做1~2次蒸臉,每次約5分鍾,於洗臉後進行。借助蒸臉可使鼻部的毛孔擴大,隱藏在毛孔內的汙垢會自動流出。但是,蒸臉後,一定要以清涼的冷水沖洗,同時雙手輕輕拍打臉部,以達到收縮肌膚的效果。


  二、容易泛油光


  T區肌膚很容易出油,肌膚的油膩會導致毛孔、痘痘等問題,所以要注意T區肌膚水油平衡。


  1、T區控油方法:


  溫和潔面或去角質後,可以采用緊膚水排出毛囊口的皮脂,或利用控油產品對T區進行進一步控油。


  方法是:用緊膚水浸濕一小塊兒化妝棉,然後輕輕地塗抹在已潔淨的面部及頸部,可以防止皮膚出油過多、毛孔變得粗大,再用油脂含量在1%以下的控油產品由外向內塗抹在臉部,可加強去油效果。


  2、T區補水方法:


  控油並非將油脂全部去除,而應讓正常肌膚的油脂和水分分泌處於一種平衡狀態,如果只做控油,而忽視補水,反而會刺激皮脂腺分泌更多的油脂。


  這時,應采用具有收斂型的,最好含有微量的酒精,為肌膚補水,讓充足的水份滋潤肌膚,防止皮脂腺分泌過多油脂。定要記住每天應給T區正確地補水,給幹性部位加強保濕。


  三、長痘痘


  T區長痘痘大多是由於T區皮脂腺分泌過盛,而毛孔又容易因角化過度而堵塞,使皮脂排流不暢,讓T區痘痘不斷。


  1、T區清潔方法:


  T區的清潔一定要到位,但也要避免清潔過度,建議一天清潔T區2次比較理想。油性、混合性肌膚可以選擇啫喱狀潔面產品。


  在T字部位可以畫圈的方式輕柔按摩加以清潔,或是先用中性的洗面乳輕輕洗一次全臉,再在T字部位用控油型潔面產品洗一次。每周用清潔面膜1--2次,最好選用泥膏型的清潔面膜,特別是在T區,進行深入清潔,防止痘痘產生。


  四、膚色不均


  很多MM的T區膚色相對兩頰要暗淡些, T區與臉頰膚色不一致,可通過按摩清理等改善T區膚色不均。


  T區護理方法:


  除了去角質外,平時的美容保養要多花點心思,如在清潔時,可多點按摩清理T區,擦拭爽膚水時也要給T區多點補水。


  五、容易產生黑頭


  T區是容易滋生黑頭的部位,而黑頭主要是由油脂和汙垢組成的,它們混合在毛孔中會增大毛孔,讓膚質變得粗糙不堪,想要健康的T區皮膚,就要適當進行去黑頭工作。


  T區去黑頭:


  可以選擇一些有效的去黑頭產品,也可以自制一些去黑頭面膜,讓堵塞毛孔的髒汙能夠被清理出來。

  


Posted by やそれでは at 17:27Comments(0)

唯有真誠的微笑,才能“用心”服務

2018年10月09日


個親切的笑容,一句真切的問候,縮短了彼此之間的距離,同時也贏得了客戶的尊重。唯有真誠的微笑,才能“用心”服務。最後,堅持做到服務的最高境界:有規范中無規范,無規范中有規范。一名專業的營業員需做到堅持將“顧客滿意”置以所有目標之上;對“顧客滿意”為絕對執著,堅持好的方面,我們盡可能把服務置於自身之前專注於菲傭及印傭,為香港知名的僱傭中心。擁有大量海外女傭及完約女傭資料庫,提供優質女傭及僱傭中心服務。
,我們獲利直接歸功於此;每天評估顧客的“滿意度”,是指顧客滿意的程度;善於總結、勤於學習;敬業樂業、對本身工作崗位熱衷,盡快進入角色;必須以自已希望被服務的對象的角度來服務顧客;目的在於了解商業銷售的生存在於顧客的滿意;不但從工作中養成“以待客之道”生活中也應如此,形成習慣,提高個人素質;從待客的基本用語開始,如禮貌用語、稱呼;養成清爽、利落的動作習慣;如迎賓動作、指引手勢、站姿、遞拿商品等;保持一個親切、優雅的笑容;善於利用自身肢體語言。還要具備一定的銷售技巧。習慣銷售:有些消費者往往習慣於購買其使用慣了的某些商品,使顧客在對商品的各種特性、特點十分熟悉、信任,而產生的一種偏愛心理,
專注於菲傭及印傭,為香港知名的僱傭中心。擁有大量海外女傭及完約女傭資料庫,提供優質女傭及僱傭中心服務。
注意力也集中穩定,所以購買時往往不再進行詳細比較與選擇,能夠迅速地形成重複購買,銷售時應盡量推薦顧客經常用過的商品;理智銷售法:有些消費者在每次購買前,對所需購買的商品,要進行較為周密的比較與選擇,,購買時頭腦冷靜、行為慎重,善於控制自已的感情,不受外界的影響而改變自已的觀點,所以應少說多看,要有耐心,讓顧客自已決定,否則就會引起顧客的反感,使銷售活動受阻。

創建於一九九五年,主要產品有歐式手描仿古傢俱、、辦公室傢俱、辦公室傢俬,沙發、餐桌餐椅、鐵藝傢俱等,傢俱產品主要出口歐美、中東地區。

  經濟銷售法:有的消費者富有經濟頭腦,購買商品時特別重視價格的高低,唯有低廉的價格才能使其滿意,這類消費者在選擇商品時,會反複比較各種商品的價格,對價格變動反應極為靈敏;面對此類型的顧客,應盡量推薦價廉物美的商品並可在原則的基礎上讓點利給顧客。沖動銷售法:有些消費者屬於感情用事的人往往接受產品外觀、包裝、商標或某些促銷努力的刺激而產生購買力行為。專注於菲傭及印傭,為香港知名的僱傭中心。擁有大量海外女傭及完約女傭資料庫,提供優質女傭及僱傭中心服務。
這類消費者對商品的選擇以直觀感受為主購物時從個人興趣和情趣出發,喜歡新奇特商品,較少考慮商品實際效用;對此類顧客以適當地在商品上加恰當的語言,往往就會有所收獲。浪漫銷售法:有些消費者感情豐富,富於浪漫情調,善於聯想,對商品的外觀、造型、顏色甚至品牌比較重視;所以對此類消費者在選擇商品時,注意力易轉移,興趣與愛好也容易變換。熱情銷售法:有些消費者屬於思想與心理標准尚未定型缺乏主風,沒有固定偏好的消費者,選擇商品時較隨遇而購或順便購買,對此類顧客必須態度熱情、服務良好、善於介紹,就較容易就服顧客而促成交易,同時不以讓他們和第三者接觸,以免引起不必要的麻煩。特異銷售法:有些消費者在商業銷售活動中以自我滿足作為目標之上,如出租性的交易經營。連帶銷售法:在幾種連帶性的商品同時推銷的方法;或犧牲一種利潤率較小的新商品,以吸引更多的顧客、帶動獲利高的商品大量銷售的方法。

專注於菲傭及印傭,為香港知名的僱傭中心。擁有大量海外女傭及完約女傭資料庫,提供優質女傭及僱傭中心服務。



  


Posted by やそれでは at 18:12Comments(0)

をあけるあいだ待た

2017年05月09日


 たいまつをかかげ持った王の護衛たちにぴったり取り囲まれて、かれらは人気のない真夜中のラク?ウルガの通りを、ひづめの音をひびかせて進んでいた。「むろん、すべて見せかけだ」ウルギットがサディに言っていた。「わがはいはアガチャクに頭を下げ、口で敬虔なきまり文句をささやいてかれを喜ばせているが、本心は明かさない。アガチャクの支持が必要だから、気にいられるようにしていなければならないのだ。それはかれも知っている。だから、その状況をできるだけ利用している」
「クトル?マーゴスにおける教会と国家の絆は有名ですよ」大きな広場にはいったとき、サディが言った。燃えるたいまつの火が、近くの建物の側面をくすんだオレンジ色に染めた。


 ウルギットが下品な音をたてた。「絆だと!」かれはせせら笑った。「鎖といったほうが正確だぞ、サディ――それもわがはいの首にまきついた鎖だ」ウルギットは暗い空を見上げた。鋭い容貌がたいまつのあかりを浴びて、赤らんでいる。「だが、アガチャクとわがはいはあるひとつのことについては同意している。ダガシ族のカバチを、冬が訪れる前にラク?ハッガへ送りこむということだ。これだけは絶対必要なことなのだ。ジャハーブはもう何ヵ月も前から家来たちにクトル?マーゴス西部を徹底的に捜索させて、カバチをマロリー戦線へ潜入させるための奴隷商人をさがしていた」ウルギットは急にサディににやりと笑いかけた。「運よく、ジャハーブの見つけた奴隷商人はたまたまわがはいの古い友人だったわけだ。われわれが知り合いだということは、だが、アガチャクに知らせる必要はないだろう。いくつか秘密を作っておきたいのだ」
 サディは顔をしかめた。「あなたがカル?ザカーズの本拠地のある都市に暗殺者を送り込んでいる理由を推測するのは、それほどむずかしいことじゃありませんね」
「むこうへカバチを送りとどけたら、ぶらぶらと名所見物などしないほうがいい」ウルギットは同意した。「だが、どのみち、ラク?ハッガはあまり魅力のある町ではないよ」
 サディは浮かぬ顔でうなずいた。「どうせそんなことだろうと思ってましたよ」かれは剃りあげた頭を指の長い手でなでながら考えこんだ。「しかし、ザカーズが死んでも、あなたのかかえる問題の解決にはならんでしょう? 皇帝が殺されただけで、マロリーの将軍たちが荷物をまとめて家へ帰るとは思えません」
 ウルギットはためいきをついた。「一度にひとつずつだよ、サディ。おそらく将軍連中は買収できるだろう、あるいはほめちぎるかなにかすればすむかもしれない。最初の一歩はザカーズを片づけることだ。あの男に道理をといてもむだだからな」ウルギットはゆらめくたいまつの明かりに照らしだされた、たけだけしくわびしい石造りの建物を見回した。「わがはいはこの場所が大嫌いなんだ」ふいにかれは口走った。「まったく虫が好かない」
「ラク?ウルガがですか?」
「クトル?マーゴスがだよ、サディ。悪臭ふんぷんたる国全体がいやなんだ。どうしてわがはいはトルネドラに生まれなかったんだろう――あるいは、センダリアに? なんの因果でクトル?マーゴスにへばりついていなけりゃならないんだ?」
「だって、あなたは王さまでしょう」
「好きで王になったわけじゃない。われわれの魅力ある習慣のひとつに、新しい王が即位したら、それ以外の王位継承候補はひとり残らず命をうばわれるというのがあるんだ。わがはいにとって、それは王になるか墓場へ行くかだった。王になったときは、おおぜい兄弟がいたが、いまじゃひとりっ子だ」ウルギットはみぶるいした。「気の滅入る習慣だよ、そう思わないか? ほかの話をしよう。おまえはクトル?マーゴスでなにをしているんだ、サディ? おまえはサルミスラの右腕だったはずだろう」
 サディは咳きばらいした。「女王陛下とのあいだにささいな誤解が生じましてね。それでしばらくニーサを出たほうがよかろうと考えたんです」
「どうしてクトル?マーゴスに? なぜトル?ホネスに行かなかった? トル?ホネスのほうがはるかに文化的だし、居心地がいいだろうに」ウルギットはまたためいきをついた。「トル?ホネスで暮らせるなら、なにをやっても惜しくない」
「トルネドラには強敵がいるんです、陛下」サディは答えた。「クトル?マーゴス周辺には詳しいですから、こうしてアローンの傭兵たちを雇って身辺を保護してもらいながら、奴隷商人を装ってここにきたんですよ」
「そこでジャハーブに拾われたというわけか。おまえも気の毒にな、サディ、どこへ行っても、つねに政治に巻き込まれる――いやおうなしだ」
「呪われているんですよ」サディは嘆かわしげに言った。「終生呪いがついてまわるんです」
 一行は角を曲がって、高い塀に囲まれた不規則に広がる巨大な建築物に近づいた。おびただしいたいまつの明かりに照らされて、ドームや塔がにょきにょきそびえている。六色の相対立する色をぬりたくったそれは、見るからにけばけばしく、ラク?ウルガの他の部分から浮き上がって見えた。「ドロジム宮殿を見るがいい」ウルギット王はおおげさな口ぶりでサディに言った。「ウルガ家の代々の屋敷だ」
「非常にめずらしい建物ですね、陛下」サディがつぶやいた。
「それは表向きの言い方だ」ウルギットは批判をこめて宮殿を見た。「けばけばしくて、醜悪で、悪趣味もいいところだ。だが、わがはいの個性にはほぼかんぺきにマッチしている」かれは護衛のひとりをふりかえった。「いい子だから先へ行け」と指示した。「門番たちに王さまがお見えになると言え。門されるようなことがあれば、耳を切り落とすぞとな」
「ただいま、陛下」
 ウルギットはサディににやりとしてみせた。「わがはいの数少ない楽しみのひとつなんだ。わがはいがいばってみせられるのは、召使いと兵卒にたいしてだけでね。マーゴ人はみんなだれかにいばりたいという潜在的欲求を持っているんだ」
 あわただしくあけられた門を通って、一行は馬をおり、たいまつが赤々と照らす中庭に入った。ウルギットはけばけばしい色の外壁を見回した。「ぞっとするだろう?」と身をふるわせた。「中へ入ろう」
 石段のてっぺんに大きな扉があり、ウルギットは一行を中へいれると、丸天井の長い廊下を歩きだした。磨きこまれた一対の両開きのドアの前で立ちどまり、顔に傷のあるふたりの番兵に言った。「どうした?」
「はあ、陛下?」ひとりが答えた。  


Posted by やそれでは at 13:23Comments(0)

ためというよりはむ

2016年08月08日

〈リヴァ王の広間〉で、ベルガリオン王はむっつりした表情を顔に浮かべ、トルネドラ大使ヴァルゴンのいつ果てるとも知れない長広舌に耳を傾けていた。何もかも、かれにはとまどうようなことばかりだった。かれはどうやって命令を出したらいいのかわからなかった。四六時中つきまとう召使いたち物業二按をどうやって追いはらえばいいのかわからないため、まったく自分自身の時間というものがないありさまだった。あいかわらず背後からはつけまわされ、今ではこの常にかれの背後につきまとう職務熱心な護衛、従者、もしくは使い走りを捕まえようという気力すら失せていた。
 友人たちは皆ガリオンの前に出ると居心地悪そうにもじもじし、いくらやめてほしいと言っても、「陛下」と呼ぶことに固執した。かれ自身はまったく変わったと思っていなかったし、鏡にうつる外見もさして変化していないというのに、人々はまるでかれがすっかり変わってしまっ公屋貸款たかのように振る舞うのである。かれが立ち去るときに人々が見せる安堵の表情がガリオンをいたく傷つけていた。そんなときは自分の殻に閉じこもり、じっと孤独をかみしめるしかなかった。
 ポルおばさんは常にかれのかたわらにいたが、彼女との関係も前とは異なったものになりつつあった。王になる前はかれの方が添え物だったのに、今で雀巢奶粉はまったく逆転してしまった。この新しい関係もかれにとってはきわめて不自然なものだった。
「わが方のこのたびの申し出は、きわめて寛大な譲歩を示したものであると言わねばなりますまい、陛下」ラン?ボルーンからことづかった最新の条約案を読み終えたヴァルゴンは最後にこうつけ加えた。人を小馬鹿にしたような表情を浮かべたこのトルネドラ大使は、鉤鼻の尊大な男だった。ホネサイトのかれは帝国の創設に貢献し、三つの名家を起こした名門の出であり、ひそかにアローン人を軽蔑していた。このヴァルゴンはガリオンの悩みのたねだった。皇帝から新しい条約だの商業協定だのが届かない日は一日とてなかった。かれらトルネドラ人が何が何でも羊皮紙に王の署名をほしがっていること、そして何度も何度もそれを突きつけていれば、しまいにはかれの方で音をあげて相手を追いはらいたいばかりに署名するに違いないと踏んでいることはあきらかだった。
 それに対するかれの対抗策は実に単純なものだった。かれは何ものにも署名することを拒否したのである。
(それはかれらが先週持ってきたものとまったく同じよ)かれは心の中でポルおばさんの声を聞いていた。(条項をいれかえて、いくつかの字句をいじくっただけにすぎないわ。これでは受け取れないと言いなさい)
 ガリオンはおつに澄ました大使にほとんど嫌悪の入りまじった視線を送った。「それではまったく話にならない」かれはぶっきらぼうに言った。
 抗議しようとするヴァルゴンをかれはすばやくさえぎった。「先週持ってきたものとまったく変わっていないではないか。それならばこちらの答だって先週と同じく否だ。わたしはトルネドラに優先的な通商権を与えるつもりはないし、他の国々と協定を結ぶたびにいちいちラン?ボルーン殿の承諾を得ることにも同意できない。そしてなによりも、わたしは〈ボー?ミンブルの協定〉の改変を一字一句たりとも認めるつもりはない。どうかラン?ボルーン殿にまともに話をするつもりがないのなら、これ以上無駄なことでわたしを悩ませないでほしいと伝えてくれ」
「陛下!」ヴァルゴンは衝撃を受けたような声を出した。「いやしくもトルネドラ皇帝に対してそのような口をきかれるとは」


「わたしは自分の言いたいように言うまでのことだ」ガリオンは言った。「もう退がってよいぞ」
「陛下――」
「退がってよいと言ったのだぞ、ヴァルゴン」ガリオンはさえぎった。
 大使はさっと立ち上がり、よそよそしくお辞儀するとつかつかと歩み去った。
「まあ、悪くはないな」アンヘグ王が他の王たちといつもたむろしている奥部屋からまのびした声で言った。これらの高貴な見物人に見られていることも悩みのたねだった。ガリオンはかれらが自分の一挙手一投足を見守り、判断し、さらにはその決断や態度や言葉遣いまでをじっくり値ぶみしているのを知っていた。恐らくこの数ヵ月はへまばかり重ねるに違いない。だからこそ見られたくないと思っているのだが、居並ぶ王たちに向かってかれらの注目のまとにするのはやめてくれなどとどうして言えよう。
「だが少しばかり直截的すぎたんじゃないかね」フルラク王が言った。
「なあに、今に人あしらいもうまくなるさ」とローダー王。「むしろラン?ボルーンにとっちゃこの直截的なところがかえって新鮮でいいと思うかもしれん。むろんやっこさんが卒倒せんばかりの怒りの発作から回復してからの話だが」
 いならぶ王たちや貴族たちは、皆ローダー王の皮肉に声をあわせて笑った。ガリオンもいっしょになって笑おうとしたが、赤面を隠しおおせることはできなかった。「何でこんなことまでされなくちゃならないんだ」かれはポルおばさんに激しい口調でささやいた。「しゃっくりひとつするたびに、みんなで批評するんだ」
「そんなことでいちいち腹をたてるのはおよしなさい」彼女は穏やかな声で答えた。「それにしてもさっきのは少し不作法すぎたようだわ。末来の義理の父親になる人にまであの調子でずけずけものを言うわけじゃないでしょうね」
 それこそガリオンが一番思い出したくないことがらだった。セ?ネドラはいまだにかれの急激な出世を許していなかった。ガリオンは彼女との結婚の可能性を真剣に危ぶみはじめていた。たしかに彼女のことを好いてはいたが――というよりも本気で好きだったが、たぶんセ?ネドラはよき妻にはならないだろうという憂うつな結論を、かれは下していた。彼女は頭もよく、わがままいっぱいに育ち、しかもとてつもなく頑固なところがあった。彼女がガリオンの結婚生活をできる限り惨めなものにすることに、ひねくれた喜びを見いだすことは必至だった。こうして玉座に座ってアローンの王たちの冗談めかした批評を聞きながら、ガリオンは〈珠〉のことなど知らなければよかったとさえ思いはじめていた。
〈珠〉のことを考えたとたん、ガリオンはほとんど習慣的に、玉座の上に掲げられた剣のつか[#「つか」に傍点]頭に輝く宝石に目をやった。玉座に座るたびにいっそう輝きを増すわざとらしさが、ガリオンをいらだたせた。そんなとき〈珠〉はまるで自分自身を祝福しているように思えた――まるでリヴァ王ベルガリオンは自分の創造物なのだとでもいいたげに。ガリオンにはいまだに〈珠〉のことがよくわからなかった。〈珠〉の中に意識に近いものが存在するのはたしかだった。ガリオンの心はためらいがちに〈珠〉の意識にふれてはそっと引き返した。これまでに何回も神の心の意志と接触したことはあったが、この〈珠〉はまったくそれらと違っていた。およそガリオンには及びもつかないような力がひそんでいるのはあきらかだった。それに加え、〈珠〉の接触方法はきわめて特異なものだった。ガリオンは自分があまり好かれていないらしいことを感じ取っていた。だがそれでもかれが近づくたびに、〈珠〉は嬉しくてたまらないと言いたげに明るく輝くのだった。そしてクトゥーチクの小塔で初めて聞いた、あの空高く舞い上がるような不思議な歌がかれの心を満たした。この歌はガリオンにとってなかば強引な誘惑のようなものだった。ガリオンがいったん〈珠〉を手に取り、その〈意志〉とかれの〈意志〉とを融合すれば、この世には何ひとつ不可能なことはなくなるだろう。現にトラクはこの〈珠〉を掲げて、世界に巨大な裂け目を入れたのではなかったか。かれがいったん決心しさえすれば、〈珠〉の力を借りてその裂け目を修復することだってできるのだ。さらに危険なのは、ガリオンの心にその考えが芽生えた瞬間から、〈珠〉が絶えまなくそのための指示を送りはじめたことだった。
(ガリオン、ちゃんと話を聞きなさい)もの思いにふけるガリオンの心にポルおばさんの声が響いた。
 午前中の行事はこれでほぼ終わりだった。後に残ったのは何件かの陳情と、ニーサより今朝届いた奇妙な祝辞だけだった。ニーサの祝辞は相手の機嫌をおそるおそるうかがうような文面で、最後に宦官サディの署名があった。ガリオンは返答を起草する前によく検討してみることにした。サルミスラの謁見の間で起こったできごとの記憶がいまだにガリオンの心を悩ませていた。今すぐこの蛇人間たちとの関係を修復すべきかどうか、判断がつきかねた。
 すべての政務が片づいたところで、かれは人々に断って退出した。白い毛皮に縁どられたケープはもはや耐えがたく暑かったし、王冠のおかげで頭はずきずき痛んだ。かれは一刻も早く自室へ戻って着替えたかった。
 広間のドアの両側に控えていた衛兵たちはかれにうやうやしくお辞儀し、すぐさま随行の姿勢をとった。「別にどこかへ行こうというわけじゃない」かれは職務熱心な衛兵たちに言った。
「ただ自分の部屋へ戻るだけだし、道はよくわかっている。ぼくのことはいいからきみたちはもう昼食に行きたまえ」
「ご親切にありがとうございます、陛下」衛兵は答えた。「後でわたしどもにご用がありますでしょうか」
「まだわからないな、そのときは誰かに伝えるから」
 再びお辞儀をする衛兵を後に残し、ガリオンはうす暗い廊下に入った。かれがこの通路を見つけたのは戴冠式の二日後のことだった。それは謁見の間から王族の私室に通じるもっとも近い通路だったが、比較的使われていなかった。仰々しい儀式ぬきで広間への行き来ができるこの近道をガリオンは非常に気にいっていた。途中にはわずかなドアがあるだけで、壁の燭台は廊下を適度な暗さに保つよう間をおいて設置されていた。顔を知られていなかった頃をほんのわずかだけ思い出せるこの暗さはむしろ好もしいものだった。
 廊下を歩くガリオンは深いもの思いにふけっていた。あまりにも考えなければならないことが多すぎた。まずは何をおいても、目前にせまったアンガラクと西の国々との戦争に対処しなくてはならない。〈西の大君主〉であるガリオンは当然それらの国々を率いる立場にあるのだ。いまや長年の眠りから目覚めたカル=トラクは、アンガラクの大軍を率いて襲いかかってくるだろう。そのような恐ろしい敵にどうやって対抗すればいいのだ。トラクの名前を思い浮かべるだけでガリオンは身震いを禁じえなかった。軍隊のことも戦争のことも何も知らないかれにどうやって戦うことができるだろう。絶対にへまをやらかすに決まってる。そうなったらトラクは金属製の義手をひとふりするだけで、西の連合軍を粉砕してしまうことだろう。
 魔法ですら今のかれを救うことはできなかった。かれの力はトラクの巨大なそれに対抗するにはあまりに経験が少なすぎた。もちろんポルおばさんが助けてくれるだろうが、ベルガラス抜きでは成功の見込みはきわめて薄かった。数ヵ月前の転倒がベルガラスの力を何ら損なっていないことを証明するきざしはまだ見られなかった。
 あまりふれたくなかったが、ガリオン自身の問題もそれに負けず劣らず深刻だった。仲なおりを拒み続けるセ?ネドラ王女とやがては何らかの決着をつけなくてはならない。王女の方にもう少し聞き分けがあれば、二人の位の違いなどほとんど問題にはならないはずだった。ガリオンはセ?ネドラ王女が好きだった――それどころか好意以上のものを抱いていると言ってもよかった。特に何かをねだるときの彼女の顔はこの上もなく美しかった。この唯一の障害さえ取りのぞくことができれば、何もかもうまく行くことだろう。この可能性がかれの心を少なからず明るくした。ガリオンはすっかりもの思いにふけったまま廊下を歩き続けた。
 いつものひそやかな足音が背後から聞こえてきたのは、さらに数ヤードほど行ってからだった。ガリオンはため息をつきながら、この職務熱心な従者が何か他に楽しみを見つけてくれないかと願わずにはいられなかった。ガリオンは肩をすくめると、今度はニーサの問題を考えることにした。
 その警告はきわめて唐突に、まさに間一髪のところで発せられた。(危ない!)内なる声が叫んだ。一瞬何が起こったのかもわからないまま、無我夢中でガリオンはぱっと前に倒れ伏した。そのとたんどこからともなく飛んできた短剣が石の壁に激突し、火花を散らしながら、敷石の上をはね返っていった。はずみで頭の王冠が床の上をころころと転がった。ガリオンは罵りの言葉とともに自分の短剣を抜いて立ちあがった。突然の攻撃にすっかり動転し、激怒したかれは廊下を駆け戻った。毛皮に縁どられた重たいケープが足元ではためき、絡みついた。
 短剣を投げた犯人の灰色のマントが一、二回ちらりとガリオンの目に入った。暗殺者は奥まった戸口にひらりと姿を消したかと思うと、重たげなドアがばたんと閉められる音がした。自分の短剣を片手に握りしめたまま、ドアの取っ手をがちゃがちゃいわせながらようやく開けると、同じようなうす暗い廊下がどこまでも続いているだけだった。そこには人っ子ひとり見当たらなかった。
 かれの手はまだぶるぶる震えていたが、それは怒りのしろ恐怖のためだった。かれは即刻衛兵たちを呼びよせようとしたが、すぐにその考えを捨てた。考えれば考えるほど、このまま襲撃者の後を追うのは賢明でないように思えてきた。かれの武器は短剣一本しかないのに、もし剣を持った者に襲いかかられたりしてはたまらない。複数の人間が陰謀に加担していたとしたら、このように人通りのないうす暗い廊下は防戦に適した場所とはとても言えまい。
 あきらめてドアを閉めようとしたかれの目を何かがとらえた。ドア枠の床にあたる部分に灰色の毛織物の切れはしが落ちていた。ガリオンはかがみこむと、それを拾いあげて、ろうそくの光のもとでしげしげと観察した。二本の指の間ほどの大きさもない布きれは、あきらかにリヴァ人特有の灰色のマントから引きちぎられたものだった。暗殺者は逃亡するさいに、うっかり自分のマントをはさんだままドアを閉めてしまったのだ。マントはその拍子にちぎれたのだろう。ガリオンは顔をしかめると急いで廊下を戻り、床にかがみこんで王冠と暗殺者の短剣とを拾いあげた。もし襲撃者が仲間を連れて引き返してきたらと思うと心もとなかった。どうやらここは一刻も早く自室に引き返し、中からしっかりとドアの鍵をおろすのが一番の得策だろう。ガリオンは誰も見ていないのをいいことに、ケープのすそを持ち上げると脱兎のごとく逃げ出した。
 かれは自室の前にたどり着くと、ドアを勢いよく開けて中へ飛び込み、ばたんと音をたてて閉めた上に鍵をおろした。そしてドアにぴったり耳をつけて、追っ手の気配がないかどうかをうかがった。
「どうかなさったのですか、陛下」  


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あばた顔の悪漢の体を一

2016年07月26日

 ガリオンはポルおばさんの袖をつかんで彼女を明かりから遠ざけようとした。
「よしなさい!」彼女はそう言ってガリオンの手を払いのけた。矢がもう一本、霧に霞んだ木木の中から飛んできた。ポルおばさんは蝿でもはらうように手をさっと振って、ひとつの言葉を口にした。矢はなにか固いものにぶつかりでもしたかのようにはじかれて地面に落ちた。
 つづいて、馬がいななくと同時に、筋骨たくましい荒くれ男の一団が森の縁から飛び出し、剣をびゅんびゅん振り回しながら水しぶきをあげて小川を渡ってきた。バラクとヘターが賊に立ち向かうために突進していくと、レルドリンはテントから抜け出し、目にも止まらぬ早さで次々と矢頭髮保養を放ちはじめた。その瞬間、ガリオンは友だちの勇気を疑った自分を恥ずかしく思った。

 押し殺したような叫び声があがったかと思うと、賊のひとりが喉に矢を突き通したままあとずさりした。さらにもうひとりが胃をつかみながら体をくの字に曲げ、うなり声をあげて地面に倒れた。三人目はかなり若く、頬に薄い綿毛のようなひげを生やしていたが、これもまたドサッとくずれ落ち、うずくまったまま胸から突き出した矢柄の羽を引き抜こうとしていた。子供っぽい顔には恐慌の色が浮かんでいる。やがて溜息をつくと、鼻から血をしたたらせたまま、ごろりと横倒しになった。
 みすぼらしい身なりの男たちがレルドリンの放つ矢の雨の下でふらふらしているのを見てとると、バラクとヘターは飛びかかっていった。バラクは重い剣を大きくひと振りして、宙をさぐっていた刃をこっぱみじんに打ち砕き、それを持っていた黒ひげの男の首と肩のあいだを斜めにザクッと斬りつけた。男はその場にドサッとたおれた。ヘターはまず素早い動作でサーベルを振るように見せかけたあと、息に刺し抜いた。ヘターが刃を引き抜いたとたん、その男は体を硬直させ、口から真っ赤な血を吹き出した。ダーニクは斧を片手に突進し、シルクもベストの下から短剣を抜いて、ぼさぼさの茶色のひげの男めがけてまっしぐらに走った。そしてここぞという瞬間、頭から飛び込んでくるりと回転し、両足でひげ男の胸をまともに蹴りつけた。それから間髪を入れずに起き上がると、短剣で敵の腹を引き裂いた。刃で下から上に引き裂くとき、湿っぽい、びりびりという音がした。斬られた男は自分の胃をつかみ、青っぽい色をした臓物のとぐろが出てくるのを必死におさえようとしていたが、それらは指のすきまから湧き出るようにこぼれ落ちた。
 ガリオンは自分の剣を取ろうと荷物に飛びついたが、やにわにうしろから荒々しくつかまれた。かれはしばらくもがいていたが、次の瞬間頭のうしろに猛烈な一撃を食らうと、目蓋のうらにチカチカと星がまたたいて、何も見えなくなってしまった。
「おれたちがさがしてたやつはこいつだ」意識が薄れていくとちゅうで、ガリオンはしゃがれ声がそう言うのを聞いた。
  


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でもはまっていないかと

2016年07月13日

 見張りは言った。「荷馬車を調べねばならんが、少々時間がかかるぞ」
「そのあいだ、ぬれて待たねばなりませんな」シルクは目をすがめて落ちてくる雨を見あげた。
「どうせならその時間、どこか気持のいい居酒屋で口の中をしめらせたほうがずっとよろしいんじゃありませんか」
「たっぷり金がないとそいつはむずかしいな」と見張りは期待をこめて言った。
「酒代のたしに手前からのささやかな友情のしSCOTT 咖啡機るしを受けとってくださればうれしいんですがね」
「そいつはすまんな」見張りは軽く頭をさげた。
 数枚のコインが手から手へ渡され、荷馬車は調べられずに町へはいった。
 丘の上から見たダリネはうっとりするほどだったが、ぬれた通りをガタガタと進むにつれて、ガリオンはそれほどでもないことに気づいた。建物はどれも似たりよったりで、尊大でSCOTT 咖啡機よそよそしく、通りはゴミがちらかってきたなかった。ここでは塩からい海の匂いに死んだ魚の臭いがまざり、足早に道を行く人々の顔は陰気で冷たかった。ガリオンの最初の興奮はしぼみはじめた。
「どうしてみんなあんなに悲しそうなの?」ガリオンはミスター?ウルフにたずねた。
「厳格で欲深な神がとりついているからさ」とウルフは答えた。
「どの神様のこと?」


「金だ。金はトラクより始末の悪い神なのだ」
「その子にたわごとを吹きこまないでちょうだい」ポルおばさんが言った。「ガリオン、ここの人たちは本当は悲しいんじゃないの。ただみんな急いでいるだけよ。大事なことがSCOTT 咖啡機あって、それに遅れるんじゃないかと思っているのよ。それだけのこと」
「ぼくはここに住みたいとは思わないな」ガリオンは言った。「さびしくて不人情そうなところだもの。ときどき思うんだ、みんなでまたファルドー農園に戻れたらなあって」かれは溜息をついた。
「ファルドー農園に勝るところはそうあるまいな」ウルフがうなずいた。
 シルクが選んだ宿屋は波止場の近くにあり、磯の香りと海と陸の境目の腐った岩屑の臭いがぷんぷんした。だが宿屋は頑丈な造りで、厩と、荷馬車用の倉庫が併設されていた。宿屋の例にもれず、一階は台所と広い社交室でテーブルが並び、大きな暖炉があった。二階が泊まり客用の寝室になっていた。
「まあまあだ」宿の主人と長々としゃべったあと、シルクが荷馬車へ戻ってきて報告した。
「台所は清潔そうだし、わたしが調べたところじゃ寝室には虫もいない」
「わたしがみてみるわ」ポルおばさんが言って荷馬車をおりた。
「ご随意に、奥方」シルクはばかていねいに一礼した。
 ポルおばさんの検査はシルクのときよりずっと時間がかかり、彼女が中庭へ戻ってきたときは、あたりが暗くなりかけていた。「やっと合格というところね」おばさんは不満気だった。
 ウルフが言った。「ひと冬腰をすえようというんじゃないんだぞ、ポル。せいぜいが二、三日だ」
 おばさんはそれを無視して宣言した。「熱いお湯をわたしたちの部屋へ運ぶよう注文してきたわ。わたしはこの子を連れて行って身体を洗うから、そのあいだみんなで荷馬車と馬の世話をしてちょうだい。いらっしゃい、ガリオン」おばさんはくるりと背を向けて宿屋に戻っていった。
 この子と呼ぶのをみんながやめてくれないものかとガリオンは熱望した。なんといっても自分にはれっきとした名前があるのだし、おぼえづらい名前でもない。このままでは長い灰色のあごひげが生える齢になっても、まだみんなにこの子呼ばわりされるにちがいないとかれは陰気に考えた。
 馬と荷馬車の世話がすみ、全員が湯を使ってさっぱりすると、一同は再び階下へおりて夕食を囲んだ。食事はポルおばさんの手料理にはかなわなかったが、カブでないだけ大歓迎だった。ガリオンは絶対の確信を持って死ぬまで二度とまともにカブを見られないと思った。
 食べおわると男たちはのんびり酒瓶を傾け、ポルおばさんは非難の表情をうかべて言った。
「ガリオンとわたしはもう寝るわ。二階へあがるときは、あまり何度も階段をふみはずさないようになさいよ」
 ウルフとバラクとシルクはそれを聞いて笑ったが、ダーニクはちょっと恥ずかしそうな顔をした。
 翌日ミスター?ウルフとシルクは早々と宿屋を出て、一日中帰らなかった。ガリオンはわざと目につく場所にいて、一緒に行かないかと訊かれることを期待したのだが、そうはならなかったので、ダーニクが馬の世話をしに階下へおりるとき、ついていった。
 二人でエサと水をやったあと、鍛冶屋が切り傷か石ひづめを調べているとき、ガリオンは言った。「ダーニク、こういうこと全部を奇妙だと思わない?」
 ダーニクは点検していた辛抱強い馬の脚をそっとおろした。「どういうこと全部だって、ガリオン?」鍛冶屋の平凡な顔はまじめそのものだった。
「何もかもだよ」ガリオンはちょっとあいまいに言った。「この旅も、バラクとシルクも、ミスター?ウルフもポルおばさんも――全部がさ。あの人たちはときどきぼくに聞こえないと思ってしゃべっているんだ。このすべてがものすごく大事なことらしいんだけれど、ぼくたちがだれから逃げているのか、何を捜しているのかよくわからない」
「わたしにもわからんのだよ、ガリオン」ダーニクは認めた。「見かけどおりでないものはいくらでもある――まるきりちがうこともないではない」
「ポルおばさんは前とちがうような気がしない?」ガリオンは訊いた。「つまりさ、みんなの態度を見てると、おばさんはまるで貴婦人かなんかみたいだし、ファルドー農園を出たら、おばさん自身までようすがちがうしさ」
「マダム?ポルはりっぱなご婦人だ。わたしにはずっとわかっていた」ダーニクの声が彼女の話になるときまってあらわれるおなじみのうやうやしい響きをおび、ガリオンはおばさんの異変をダーニクに感づかせようとしても無駄だと悟った。  


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あえず十分というこ

2016年06月28日



「イケメン」、最初に聞いた頃、「行け行け男」のことだと思っていた。なんのことなの? 半分眠っているような状態でいると、くだらない連想。イケメン=池で溺れている男、畏敬する男、ラーメンの一種、いけ好かない奴、胃痙攣の男、そして馬鹿のことをジャズメンという。邪頭面と書く。「アラフォー」もなんのことか分からなかった。あら? もう、四十なのぉという意味のように聞こえた。アラサーは粗さと聞こえる。アラフィフ、アラシー、アラセブ、アラエイ、アラナイ、アラハン、高齢化社会だからどこまで行くのかSCOTT 咖啡機しら? 五十六歳がじいちゃんなのか若いのか? 分からない。ソニーロリンズが昨日で八十五歳。

今朝、早朝五時ぐらいに高速十五号を走っていた。パリが近付いてくる。クリシーの手前に
セーヌを渡る大きな橋。ゆっくりと左にカーブしている。この橋の上からパリの街が映画の書割のように見える。こんなプラモデルみたいなとこに二百万人以上が犇いているのだなぁーとか、五時だというのに、もう、結構な車が走っている。なんか金鉱に群がるシロアリみてぇーだな。俺もその一匹かよぉーとか、ライトアップされたパリが廃墟に見えたり、巨大な墓地に見えたり、車を運転しながら思索と脳内詩作。

ずっと、ジャズの専用局を聴いている。いろいろなピアニストの曲を聴く。当たり前だけれど、この一流どころばかりなのだけれど、皆、全然違う。技巧派、そんなに上手くないけれどソウルで聴かせる人、格好いい和音を連発する人、諸々の諸々。技巧が先走っている系は、やはり、自信と自意識とプライドがむんむんしていて、やや、うざい。それと、私はモード系、つまり、マイルスデイビス系列、ないしフリージャズ、こちらはジョンコルトレーン、この二つがやはり好きであることが自分で分かった。まあ、マイルスは別格だ。あの哀愁のあるトラン
ペットは彼にしか出来ない。超絶技巧派ではないけれど、素晴らしいの一言。コルトレーンは初期の頃は、あんま良くない。ぎこちないし、今一つ自分の音になっていない。しRF射頻かし、ある一線を越えた後の彼の演奏は超絶的である。技術的以上に、そのエモーションは圧倒的。それから、初期の頃のビルエバンスはやはりモダンジャズピアノの原型。ハービーハンコックはブルーノート系の最高峰。キースジャレットは自信自己顕示プライドの塊ではあるけれど、彼の技術以上に、そのスピードとスイング感はダントツ。結局、自分のピアノがなんなのか良く分かるのである。私は、彼らのいいところを摘み食いしつつ、イサオ節を構築してきたことが分かる。技術レベルは比較対象にならないぐらいに低いけれど、明らかにイサオ節というものがある。まあ、とりとにしよう。それと、なんか、私は「メロディーラインを残したフリージャズおよびなんとなくお笑いの要素を含んだ演奏および存在感」、おっ、癒し系フ
リージャズ?昔、わだひろしとマヒナスターズというバンドがあった。「マヒナ」、ミュージッシャン用語。=「暇な」である。私のブロ愚に長期に渡りお付き合い頂いている希少、貴重、世界指定絶滅寸前読者様方は、すでにイサオ節に脳を犯されているからピンときちゃうのだ。ミュージッシャン用語=和音の転回形の日本語版。
  


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まこの浜辺にや

2016年06月22日




 僕は辺りに何か首吊りに便利な紐が落ちてないかな、と必死に捜していた。でも僕の目に映るのは濡れた石ころや漂流した木の枝ばかりだった。


 お母さん、お父さん、ごめんなさい、と僕は心のなかで泣いていた。僕は心のなかで激しく泣いていた。

 僕は心のなかで激しい罪悪感と戦っていた。僕はロープのようなもの延缓衰老を捜しながら浜辺を歩いていた。でもどうせ落ちてないと思っていた。僕の胸のなかはそして激しく燃えていた。

 炎のなかを激しく燃えていた。僕は燃えるように歩いていた。燃え上がってこのまま消えてしまいたかった。

 砂のなかにも埋もれてしまいたかった。このまま僕は消えてゆき、大空のなかにも溶けてゆきたいと思った。

 このまま僕は青い空のなかに、少年時代の思い出を胸にして消えてゆきたい

 苦しみから逃れ、消えてゆこう

 僕はそうしてさくさくと浜辺を歩き続けた。

 すると涙のような雨が降ってきた。父と母の涙のような雨だった。ああ肌膚老化僕は死ぬのだろうかと思って悲しくて悲しくてたまらなくなってきた。

 朝、ここに着たばかりのときはまだ夜明けで今日は雨が降るとは思ってなかったのに——今日は晴れるとばかり思っていたのに——と思って僕は悲しくてたまらなくなってきた。でも死ぬための帯は見つからなくて僕はうずくまって砂を見ていた。小さな小さな砂のひとかけらが僕のようだった。


 今朝、明るいとばかり思っていた空は僕の幻覚だったのだろうか。空は青く、しかし暗く澱んでいた。なぜこんなに澱んでいるのだろうかと僕はとても不安だった。

 頬に手をあて何かの恐怖と戦っている自分の姿が見えるようだった。僕を押さえつけるあてのない恐怖。不思議な恐怖。波の音とともに僕の心を揺るがす恐怖。

 僕は海のなかに魚となってこのまま

僕は今日も朝4時ごろ目が醒めてそしてそれから眠れ日常肌膚護理ずぼんやりした頭のまってきた。今日は風が強く今にも雨が降り出しそうな天気だ。でも僕は昨日買ったヘルメットで元気にアルバイトに出ていこうと思っている。  


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